第5回 田辺・弁慶映画祭 上映作品


「津軽百年食堂」
上映時間:11/27(日) 10:30〜  (106分)
 

(C)2011「津軽百年食堂」製作委員会
明治42年、弘前。大森賢治(中田敦彦)は、津軽蕎麦の屋台を営んでいた。鰯の焼き干しからとるその出汁は、ほかに真似のできぬ深い味を出していた。焼き干しは、戦争で夫を失ったトヨ(早織)がその幼い娘フキと共に青森から運んで来るもの。賢治は、トヨに淡い想いを抱いていた。そして、自分たちの店を持つことを夢見ていた。
現代の東京。結婚披露宴の会場でバルーンアートを披露している大森陽一(藤森慎吾)。写真を撮っているカメラマンの筒井七海(福田沙紀)。陽一が、うっかり七海の照明器具を壊してしまい、慌てた七海から飛び出た津軽弁。2人は、どちらも弘前出身だった。陽一は、借家を七海とシェアすることで照明器具代を弁償するという提案をする。
経済的理由からの共同生活が始まった。陽一は、七海に蕎麦を作ってご馳走する。陽一の実家は、弘前に百年続く「大森食堂」。四代目にあたる彼は、中学生の頃から父・哲夫(伊武雅刀)に津軽蕎麦作りを仕込まれていた。しかし、父との確執から、店は継がずにバルーンアートをしながら東京で暮らしている。故郷に対する反発と捨て切れぬ思い、将来への不安に陽一は揺れていた。
そんな時、弘前で、父・哲夫が交通事故で入院した。当分「大森食堂」は閉めることになるという。「でも帰って来なくて大丈夫」という姉の電話に、陽一は複雑な気持ちになる。だが、翌朝、「お客さんを待ってる店が可哀想で‥」という祖母フキの切実な電話の声を聞いて、一時的な帰省を決めるのだった。
一方、写真撮影スタジオで仕事中の七海も、アクシデントに見舞われる。師匠の浅尾(大杉漣)が倒れたのだ。病院で、浅尾とその妻・美音子(かとうかず子)の強い絆を見て、七海はショックを受ける。浅尾は、師匠であり、七海の恋人のはずだった。
陽一は、久しぶりに弘前に帰った。数年前、就職に失敗して「店を継ぎたい」と哲夫に言った夜、「店を安く見るな!」と怒鳴られ、大喧嘩になったことを思い出す。その時以来の帰省だった。
祖母フキは、陽一の帰りを待ちわびていた。陽一は、津軽蕎麦を作り始め、「大森食堂」を開ける。そして、やって来た高校時代の同級生、美月(ちすん)や政宗(永岡 佑)との交流に、故郷の心地よさを感じるのだった。
ある日、七海が突然帰省する。彼女は、今は使われていない実家の写真館に陽一を案内する。亡き父の思い出を語り、失恋を認め、自分を見つめ直す七海。そんな彼女を陽一は優しく受け止める。
陽一は、自分なりに味をアレンジした津軽蕎麦を入院中の父に出前する。だが、「出汁はいいが、何だ、この麺は!」と雷を落とされ、猛反発。そして、「代々の味を受け継ぐことは柄じゃない」と東京に戻ろうと考える。そんな中、陽一の心を揺るがす出来事が…。
明治時代の賢治と現代の陽一。満開の桜が見守る中、それぞれに、小さな奇跡が起ころうとしていた‥。

キャスト 藤森慎吾、中田敦彦、福田沙紀、ちすん、藤吉久美子、早織、前田倫良、永岡祐、秋本博子、春日井静奈、大杉蓮、かとうかず子、野村宏伸、手塚理美、伊武雅刀 ほか
監督 大森一樹